前回のひだまりニュースでは、ストマパウチの基本的な役割についてお話ししました。
今回は、その続きとして、 実際にひだまりで経験した「毎日続くストマの漏れ」をどう乗り越えたかのかをお伝えします。
今回の利用者さんは、右腹部(上行結腸)にストーマがある方。
手術して退院後しばらくは安定していたのですが、ある時期から急に”毎日漏れる”ようになってしまいました。
利用者さん自身も不安、スタッフも不安。
「どうしたら止まるんだろう?」とみんなで何度も話し合いながら取り組んだ結果、
3つの工夫で劇的に改善しました。
①パウチ交換のタイミングは「空腹時」にする
上行結腸のストーマは、食べてすぐは水っぽい便がどんどん出てきます。
そのタイミングでパウチ交換してしまうと、面板が皮膚となじむ前に便が入り込んでしまい、
そこから漏れが起きてしまうんです。
そこで、ひだまりでは
パウチ交換の前はなるべく胃の中を空にしておくことをお願いしました。
では「どのくらい前まで食べて大丈夫か?」というとーー
目安は「パウチ交換の1~2時間前からは飲食を控えてもらう」です。
上行結腸は食後すぐに反応が出やすいので、交換前に腸を動かしすぎないためです。
これだけでも、交換時の便の量がかなり減りました。
②体型の変化に合わせて”補強材”を取り入れた
体重が少し増えて体形に凹凸ができ、面板がしっかり密着しにくくなったことも、漏れの大きな原因でした。
そこでスタッフの一人が提案してくれたのが、補強材(ドーナツ型)を部位ごとにサイズを変えて使う方法。
・凹みの部分には1/3サイズ扇形
・特に漏れが多かった”へそ側”には1/6サイズ扇形
この形に分けて貼ることで、面板が皮膚にピッタリフィットし、弱点になる隙間がなくなりました。
このアイデアを中心になって考えてくれたスタッフには本当に感謝です。
現場の「気づき」が、改善の大きな一歩に繋がりました。
③ストーマ周囲5㎜の”皮むけ”へのアプローチを変えた
長い間、ストーマの際から5㎜外側の皮膚がただれて皮がむけ、そこから便が入り込み、また ただれ、また漏れる…
そのような悪循環が続いていました。
これまでは
・ステロイドローション
・ストマパウダー
を使っていましたが、皮膚のムケは完全には治らず…。
そこで発想を変え、パウチの縁を、かぶれにくい別の補強材で一周囲む方法に変更しました。
するとーー
♡皮膚が保護されて ただれが改善
♡補強材がクッションとなり面板がしっかり密着
♡パウチが剥がれにくくなり、漏れもなくなる
という”良いスパイラルに。
皮膚がきれいになることで、パウチの密着度が戻り、漏れがぴたりと止まったのです。
まとめ:ひだまりのケアは「みんなで考える」から生まれる
ストマの漏れは、本人の生活の質に直結します。
だからこそ、一人で悩まず、みんなで考え、身体の変化に合わせて工夫することが大切だと 今回のケースで改めて感じました
・交換のタイミング
・体形の変化
・皮膚状態
どれか一つではなく、全部が関係していることも多いです。
今回の3つの工夫が、同じようにストマの漏れで悩む方のヒントになりますように。
※今回ご紹介した内容はひだまり訪問看護ステーションで実際におこなった工夫の一例です。
ストーマの状態や体型、皮膚の状態によって適したケアは異なるため、必要に応じて主治医・WOCナースへご相談くだい。